タップゲームにさせない為の工夫が何よりも素晴らしい作品でした。 画面中全て叩いてズームできる箇所を探すゲームにはさせない…という理念は、質の高い脱出ゲームの共通点ですが。 その為に取れる手法として、隠したいアイテムや手がかりそのものを僅かでも見せたり、タップの反応範囲を広く設定する等のやり方しか思いつきませんでした。 いかにも何かありそうな半開きの物や取得できそうな物をわざとらしく置いてタップさせることにより、それらの物自体は何の仕掛けもないフェイクでありながら、本当に仕掛けとして置かれた物が見える視点に切り替えさせるという誘導、本当に見事です。 謎解きも面白く、中でも花びらを使った手がかりはとても上手いと思いました。 しかし花びらが良かった分他のインパクトが薄いというか、要するにテーマである“雨“はこのたった1問の為だけの設定だったのか？という気がしてしまいました。 頑張って結び付けても他は傘ぐらいか、あとは別にこの家でなく普通の家がテーマであっても全く問題ない内容だったように思います。 いつでも使える物よりも、今回のテーマでなければ出来ないというネタの方が作品全体の印象が残りやすくなるのではないでしょうか。 例えばですが、高さの手がかりを照明器具ではなく容器に溜まった雨水の量にしたり、円の大きさの手がかりをキッチン設備ではなく水滴が生む波紋のサイズにしたり…といった内容なら特徴が出てより面白く感じられたのではと、少々勿体無く思いました。

謎解きの難易度はおおむね中程度だが一部に難易度の高いものがある。マップは広く感じ謎解きも多いのでボリューム感もある。視点移動はやや複雑だがなれれば問題なく操作性には問題なかった。 とにかく通常の2倍ぐらいあるボリューム感と工夫された謎解きがよかった。概ねみたまま入力すればいいが中には複数を組み合わせたり、一捻りが必要だったりと良く考えられている。グラフィクスも綺麗でアプリも安定しており安心してプレイできる。脱出ゲーム好きなら文句なく楽しめるだろう。プレイして損はない。ただしズームできるところがわかりにくい箇所がいくつかある。それがスクリーンの謎解きと三角の手がかりだ。前者は非常に気が付きにくく、後者は分かっていてもズームしにくい場所がタップエリアになっている。すぐわからないようできるだけ気が付きにくいよう工夫したい気持ちがよく伝わり、このバランス感覚は難しいところだろう。手がかりの組みあわせにやや強引なものもあるが、まあ許容範囲か。またパズルを解いて扉を開けたらまたパズルのある箱が見たいな、鍵を開けたら中に鍵のような状況が複数ある。個人的には好きでないが、多くの謎解きを設定するには仕方がないのかもしれない。そのぶんやや難易度が高い分気がついた時の爽快感があった。少しながらも物語があったり様々なギミック、演出のアニメなども良かった。全般的にレベルが高くお勧めできる。次回作にも期待しています。

キャラクターがシルエットだけというのが、若かりし頃、スーファミでやり込んだ『かまいたちの◯』を思い出してDLしてしまい？ました。 面白かったのですが、ボリュームがあり、マップも広いことから、寝る前など短時間ずつチマチマやっていると「これのヒントはどこだったっけ？」とあちこち移動する羽目になり、己の記憶力のお粗末さに情けなくなったり。 他の方も書かれていましたが、窓の数字のギミックは（ギミックであることが一目瞭然であるため）、ちょっと不自然さがあったかなと思います。